お知らせ|埼玉県入間市の精神科・心療内科専門 訪問看護ステーションさぼてん【発達障害、気分障害】

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体を動かしながら心も軽やかに — 精神訪問看護の新しいケアスタイル

2025.08.05

こんにちは。私たちは精神訪問看護の専門チームです。訪問看護の現場では、

患者さんの心と体の健康をトータルにサポートするため、これまでの対面中心の面談だけでなく、

「歩きながらのお話し」という新しいケアスタイルを取り入れています。

このブログ記事では、「歩きながらの会話」がもたらす心身への良い影響や、その背景にある訪問看護の理念、

そして具体的なサポート方法について詳しくご紹介します。

ぜひ、訪問看護に興味のある方、またご自身やご家族のケアを考えている方にお読みいただければと思います。

 

1. 精神訪問看護の面談の現状と課題

精神訪問看護は、病院やクリニックの外で患者さんの日常生活に寄り添い、精神的なケアや生活支援を行う専門的なサービスです。

従来は主にご自宅の室内で、椅子に座ってじっくりお話を聞くスタイルが中心でした。

しかし、この対面での面談には、いくつかの課題もあります。

  • 緊張や不安を感じやすい方が多い
    患者さんは「面談=話さなければならない場」と認識しがちで、リラックスできず本音を話しづらいことがあります。

  • 感情のコントロールが難しい場合がある
    感情が高ぶっているときは、静かに座って話すのが苦痛に感じることも少なくありません。

  • 長時間の座位が身体的に負担になる場合も
    心身の不調がある方は、長時間座っていること自体が辛いこともあります。

こうした課題を解決するために、私たちはより自然で気軽なコミュニケーションの形を模索してきました。

その一つが「歩きながらの会話」です。

 

2. 「お散歩しながら」の会話がもたらすメリット

緊張がほぐれ、自然体で話せる

お散歩しながらの会話は、座ってじっと話す面談よりも気持ちが軽くなり、緊張がほぐれやすくなります。

動きながらの対話は、「話さなければ」と構えすぎる必要がなく、自然に言葉が出やすいのが特徴です。

自然な風景を眺めながらゆったり歩くことで、患者さんはその場の空気にリラックスし、表情も穏やかになります。

そうした環境は、カウンセリングの効果を高めることにもつながります。

心と体が同時にケアされる

歩くという行為は単なる移動手段ではなく、心と体に良い影響を与える軽い運動です。

心身を同時に動かすことができるため、精神面のケアに加え、身体機能の維持や向上にも役立ちます。

 

3. 運動がもたらす心身への効果

爽快感の向上

歩くことで血流が促進され、酸素が体全体に行き渡ります。

これにより、脳が活性化され、気分が晴れやかになる効果があります。

精神的に落ち込んでいる方も、体を動かすことで少しずつ前向きな気持ちを取り戻せることが多いです。

ポジティブなボディイメージの形成

自分の体を動かし、歩くという身体活動を通じて「自分は動ける」という実感が生まれます。これは自己肯定感や自尊心を高める重要な要素です。精神疾患の方は体調不良や気力の低下から自分の身体に否定的なイメージを持ちがちですが、歩くことでその感覚が改善されやすくなります。

軽い有酸素運動による健康促進

早歩き程度の軽い運動は、心肺機能の向上や筋力維持に効果的です。

精神疾患の症状改善にも寄与し、薬物療法や心理療法の補助として注目されています。

もちろん、患者さんの体調や季節に配慮し、無理のない範囲で実施しています。

特に真夏の暑い時期は熱中症予防のために控えめに行うことが重要です。

 

4. 精神訪問看護師が大切にしていること

個々のペースに寄り添うケア

精神訪問看護師は、患者さんの体調や気分、その日の状態を細かく観察しながら無理のないペースでサポートを提供します。

歩きながら話すのが難しい日は無理せず室内での面談に切り替えるなど、柔軟な対応を心がけています。

心身の両面から生活の質向上を目指す

単に症状を抑えるだけでなく、日常生活の質(QOL)を高めることが目標です。体を動かすことで得られる爽快感や自尊感情の向上は、精神的な安定や生活意欲の向上に直結します。

安心して話せる環境づくり

患者さんが「ここなら安心して話せる」と感じられるよう、信頼関係の構築に力を入れています。歩きながらの対話はそうした環境づくりに非常に効果的であると実感しています。

5. 実際の訪問看護での歩きながらケアの事例

※以下は例です。

事例1:緊張しやすいAさん(40代・男性)

Aさんは精神疾患で自宅療養中ですが、対面の面談だと緊張して言いたいことがうまく伝えられませんでした。

そこで訪問看護師が提案したのが、一緒に近所を散歩しながらの会話です。

初めはゆっくりと歩きながら、季節の話題や趣味の話を中心にしました。

数回の訪問を経て、徐々に自分の心の状態や悩みを自然に話せるようになりました。

事例2:体調が不安定なBさん(60代・女性)

Bさんは体調の波が激しく、長時間の座位が辛いことがありました。

訪問看護師は、Bさんの体調に合わせて散歩の時間や距離を調整し、短時間でも外気に触れて軽く歩くことを取り入れました。

これにより気分転換が図れ、精神状態の安定に寄与しました。

6. これからの精神訪問看護の展望

精神訪問看護の分野では、心身の健康を包括的にサポートするための新たな方法が求められています。

歩きながらの会話はその一例に過ぎませんが、患者さんの状態やニーズに応じた柔軟なケアを追求する姿勢の象徴です。

今後も、自然なコミュニケーションの形を探りながら、患者さんとご家族が安心して生活できる環境づくりに貢献していきます。

7. おわりに — あなたの心と体のパートナーとして

もし、「訪問看護での新しいケアスタイルに興味がある」「気軽に話をしてみたい」という方がいらっしゃいましたら、ぜひお気軽にご連絡ください。

私たち精神訪問看護チームは、あなたの心と体の健康を支えるパートナーとして、全力でサポートいたします。

歩きながらの会話で、一歩ずつ心も体も軽やかにしていきましょう。

 

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