お知らせ|埼玉県入間市の精神科・心療内科専門 訪問看護ステーションさぼてん【発達障害、気分障害】

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精神看護で大切なこととは?患者との信頼関係を築くために必要な心構えと実践

2025.07.01

 

精神科領域の看護は、身体的なケアにとどまらず、患者の「こころ」に寄り添う特別なケアが求められる分野です。

急性期から慢性期、在宅看護まで、精神看護の場面は多岐にわたり、その役割は年々重要性を増しています。

この記事では、「精神看護 大切なこと」をテーマに、精神科看護師として必要な姿勢やスキル、患者や家族との関わりのポイントについて詳しく解説していきます。

精神看護とは何か?その役割と重要性

精神看護とは、統合失調症、うつ病、双極性障害、不安障害、認知症、依存症など、精神的な疾患を持つ患者に対して、治療的な関係を築きながら心身のケアを行う看護領域のことを指します。

身体的な病気と異なり、精神疾患は「目に見えない苦しみ」や「社会的な偏見」と戦う必要があるため、看護師の果たす役割は非常に繊細かつ重要です。単に服薬管理やバイタル測定をするだけでなく、患者の感情の動きや内面の変化を読み取り、信頼関係を築きながら回復を支える必要があります。

精神看護で大切な心構え5つ

精神看護に携わるうえで、以下のような心構えがとても重要です。

1. 「患者を一人の人間として尊重する」視点を持つこと

精神疾患を持つ方は、ときに症状によって理解しにくい言動をとることがあります。しかし、それは本人の本意ではなく、病気による影響です。だからこそ「この人は何を感じ、何を伝えようとしているのか」を丁寧に読み取る視点が必要です。偏見を持たず、どんな患者に対しても「一人の人間として尊重する」態度が何より大切です。

2. 傾聴の姿勢を忘れないこと

精神科の患者さんは、自分の気持ちを表現するのが苦手な方も多く、誰かに話を聞いてもらえるだけで安心感を得ることがあります。話す内容よりも、「受け止めてもらえる」「否定されない」という感覚が回復に寄与します。否定や評価をせず、共感的に耳を傾ける「傾聴」は、最も基本であり、最も大切な技術です。

3. 感情のコントロールとセルフケアを忘れないこと

精神看護は、感情労働とも言われるほど、看護師自身のメンタルに大きな負担がかかります。患者のつらさや怒り、不安を受け止める中で、自分自身がストレスを抱えてしまうことも少なくありません。だからこそ、看護師自身も自分の感情と向き合い、必要に応じてチーム内で相談したり、専門家にサポートを求めることが必要です。

4. 言葉以外のコミュニケーションを意識すること

精神科看護では、患者が言葉にできない感情や状態を「非言語コミュニケーション」から読み取る力が求められます。たとえば、視線の動き、手の震え、部屋の使い方、食事の摂取量など、さまざまなサインを看護師は見逃さず、そこから必要なアプローチを見出していく必要があります。

5. 回復のペースは人それぞれであることを理解する

精神疾患の回復は、目に見えて順調に進むとは限りません。一進一退を繰り返し、時には後退することもあります。焦らず、期待しすぎず、患者のペースを尊重しながら「今できていること」に目を向けていく姿勢が大切です。

精神看護の実践におけるポイント

実際の現場では、以下のような対応が精神看護で求められます。

● アセスメントは「症状」だけでなく「背景」まで掘り下げる

精神疾患の症状の背後には、家族関係や生活習慣、トラウマなど、複雑な背景があることが多いです。患者の言動や状態の背後にどんな生活やストーリーがあるのかを理解しようとする視点が、より的確なアセスメントにつながります。

● 医療チームとの連携と情報共有を大切にする

医師、心理士、作業療法士、ソーシャルワーカーなど多職種と連携し、情報共有を徹底することで、チームとして一貫性のある支援が可能になります。看護師は、日々の関わりから得た細やかな情報を共有する「橋渡し役」としても重要な存在です。

● 家族との関係構築も支援の一部

患者の回復には、家族の理解と協力も欠かせません。しかし、家族自身が疾患について理解できず、悩みや戸惑いを抱えていることもあります。家族への丁寧な説明や精神的な支援も看護の一部と捉え、時には家族ケアも並行して行う必要があります。

精神看護における「信頼関係」の築き方

精神科の患者さんは、「人を信用できない」「裏切られるのではないか」と感じやすい傾向があります。そのため、信頼関係を築くには時間がかかります。以下のような地道な積み重ねが必要です。

  • 毎日声をかけるなど、一貫した関わり 
  • 約束を守る(無理なことは無理だと伝える) 
  • 感情を否定せず受け止める 
  • 距離感を保ちながらも安心感を与える対応 

患者が「この人は味方だ」「安全な存在だ」と感じるようになるまで、焦らずゆっくりと関係性を築いていくことが大切です。

精神看護は「人と人の関係性を支える看護」

精神看護は、医学的な知識だけでは対応しきれない「人間の本質」に深く関わる領域です。感情の揺れや苦しみ、不安といった目に見えないものに触れながら、患者が「自分らしく生きる」ことを支えていく仕事です。

難しさや葛藤を感じる場面もありますが、患者の笑顔や「ありがとう」の一言に、深い喜びを感じられるのも精神看護ならではの魅力です。

まとめ:精神看護に必要なのは「技術」と「心のゆとり」

精神看護で大切なことは、「症状を見る」のではなく「人を見る」こと。傾聴、共感、尊重、非言語の観察力、チーム連携など、総合的な力が求められます。そして何より、看護師自身が心の余裕を保ち、支援する人間としての姿勢を持ち続けることが不可欠です。

精神看護は、悩みながらも患者とともに成長していく、奥深い分野です。一人ひとりの看護師が自信と誇りを持ち、心のケアのプロとして活躍できる社会づくりが今後ますます求められています。

 

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